トルシエ監督の現在はベトナムに骨埋めて献身してるのに解任要求と波乱すぎ

トルシエ監督は、日本サッカーを大きく進化させた監督だし、監督としての実績も強すぎる。

トルシエは、日本代表監督退任後、カタールや中国を経て、現在はベトナムサッカー界にめちゃくちゃ貢献している。

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トルシエ監督はこんな監督:日本サッカーに、最新技術を持ち込んだ監督

○トルシエ監督、本命じゃなかった
日本が最初、監督としてラブコールを送っていたのは、アーセン・ベンゲル。1996年から2018年までアーセナルFCの監督を務めた名将だ。アーセナルとの契約を継続したことを理由に断られた。しかし日本は再び、「日本代表の監督はあなたしか考えられない」と熱心な手紙を送った。ベンゲルはもちろん受けなかった。その代わりに紹介してくれたのが、トルシエ監督だった。

「ベンゲルほどの監督としての能力を認めるなら……もしかしたら」

そんな願望交じりに、1998年に就任となったのがトルシエ監督だった。

○トルシエ監督の日本代表実績
トルシエ監督の就任は、監督としての実績という意味でわかりやすく成功したとわかる実績をいくつも残している

  • 1999年、U-20代表監督を兼職したときには、FIFAワールドユース・ナイジェリア大会で怒涛の快進撃。ポルトガル、メキシコ、ウルグアイを破っての準優勝。日本サッカー史上、FIFA主催大会で決勝に進むのは、史上初の快挙だった
  • しかし、2000年前半では、大会実績どころか勝ち星すら上げられず、もともと2年契約と言うこともあって、サッカー協会内部からは解任要求の声が上がるほどだった。ところが、後任予定だったベンゲルとの話がキャンセルになり、トルシエ続投にせざるを得なくなる。が、それが功を奏す。
  • 2000年のシドニーオリンピックでは、32年振り決勝トーナメント進出。
  • 同じく2000年のアジアカップ2000では、日本のみならず、東アジア勢初の優勝を達成
  • 2000年のトルシエ代表監督としての実績により、AFC年間最優秀監督を受賞。AFCとはアジアサッカー連盟のことで、トルシエ監督の実績は、海外にも評価を受けるようになっていく
  • 2001年には、FIFAコンフェデレーションズカップで決勝進出の準優勝。アンダーではなく、フル代表でのFIFA主催大会決勝進出は、やはり日本史上初の快挙だった
  • そしてトルシエジャパンでの国際大会での実績により、2002年には、ワールドフットボールイロレーティングで、歴代最高順位8位を記録している。
  • そして退任前の最後の仕事は、2002年のワールドカップ。トルシエジャパンは、日本史上初のワールドカップ決勝トーナメント進出を達成する。

○トルシエ監督が来る前と後の変化
トルシエ監督が来る前の日本サッカー界は、とにかく古い戦術を使っていたことで知られている。そしてトルシエが最新の戦術1を持ち込んだことも、有名な話だ。最も有名なのは「プレスサッカーを日本に伝えたのはトルシエ」というもの。

それまでの日本のディフェンスラインはとにかく低く、ディフェンダーがカバーしなければならないエリアが極めて広かった。そこにトルシエ監督が、当時のさまざまな最新戦術を持ち込んだことによって、日本サッカー界は大きく前進したと言われている。

しかも、当時の情報伝達環境もよかった。トルシエは代表監督だっただけでなく、U-20ら、若く有望な選手たちの指導も兼任していたのだ。結果、トルシエの情報は、広く多くの日本人選手たちがうけたことで、より全体的に戦術が伝播されていった。

トルシエ監督の現在は、ベトナムサッカー界に献身中

○トルシエ監督の退任後の簡単経緯
トルシエ監督は、日本代表監督としての実績で、世界的にも名前が売れたことで、カタール代表監督、モロッコ代表監督、リーグアン名門のマルセイユ監督と渡り歩く。2011年から2017年まで中国サッカーのクラブチームの監督などを中国サッカー界に貢献、そして現在はベトナムサッカー界に献身している

トルシエ監督の現在の年齢は、69歳(1955/3/21)

○トルシエ監督、現在は、ベトナム超巨大企業運営アカデミーの常勤顧問就任
トルシエ監督が、ベトナムサッカー界に足を踏み入れたのは、2018年6月。東南アジア最大級のグループ会社【ビングループ】運営のサッカーアカデミーのブレインとして、若手育成方法のブラッシュアップをするなど、将来的にはベトナムのワールドカップ出場にまで焦点を置いた国家プロジェクトの一員として活躍した

○トルシエ監督、ベトナム代表監督何度も招集
2019年U-19のベトナム代表に就任、2023年ベトナム代表監督就任、U-23ベトナム代表監督兼任と、現在もなおベトナムサッカー界に貢献することを求められている。
しかし、国のサッカーファン全体の期待を背負っているだけに、1度でも大きな失敗をすると非難も飛んでくる

○トルシエ監督、SNSで解任要求
2023年、U-22代表の東南アジア大会準決勝で、事件は起きた。
相手はインドネシア代表であり、結果は2-3の惜敗だった。
これだけならよくありそうなものだが、問題があった。インドネシア代表チームは10人だったのだ。1人有利な状況で戦ったにもかかわらず負けたことで、SNSで解任要求が相次いでしまった。しかし、10人相手に勝てないのは戦術以前の問題だろうと、同情の声も上がっている。